スマホで簡単健康管理『メタボウォッチ』

 早大スポーツ科学学術院

個別提案型ヘルスマネジメントを目指して

iPhoneアプリ『メタボウォッチ』を開発

早稲田大学スポーツ科学学術院川上泰雄(かわかみやすお)教授を中心とした研究チーム(※1)は、iPhoneアプリケーション『メタボウォッチ』(以下、アプリ)を開発・公開します。また、このアプリを使用し、日本人の運動や食事などの生活習慣や身体形状に関するデータを取得する大規模な調査研究を開始。

このアプリは、Appleが医学・医療研究および健康研究をサポートするために開発した「ResearchKit」というオープンソースのフレームワークを使用しており、App Storeから誰でも無料でダウンロードすることができます。

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幅広い年齢層や多様な生活習慣を有する大規模集団から健康データを効率的に取得し、ビッグデータ解析に基づく個別化健康管理法を提供するのがアプリ開発の目的ですが、ユーザーに自身の身体に関する「気づき」を促し、健康管理のツールとして利用していただくことも本アプリのねらいです。

人間の骨格筋は、加齢とともにその量が減少し、筋力の大幅な低下につながり得ることが知られています。このような変化は、サルコペニア(加齢性筋肉減弱現象(※2))と呼ばれ、身体活動量の減少と密接に関係し、不適切な食事習慣ともあいまって脂肪組織(内臓脂肪・皮下脂肪)の蓄積によるメタボリックシンドロームの発症を招きます。

米国ルイスビル大学の疫学者Baumgartner(2000)は、サルコペニアやメタボリックシンドロームが健康寿命に深く関連すると述べています。

 

本アプリは、そのために必要となる適切な運動・食事プログラムの提案に向けて、日本の幅広い年齢層における運動や食事などの生活習慣や身体の量的・機能的特性との関連性を横断的に調査・検討し、利用者への還元を目指すものです。

また、時間生物学的な観点から、人間がもつ特有の概日リズムと身体特性・生活習慣などとの関連性やその個人差についても研究を行っていく予定です。

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今回開始する 研究の対象者は、研究内容に同意のうえ自発的に参加する20歳以上の健常成人男女で、参加者には本アプリを用いていくつかの質問(生活習慣や食事習慣、簡単な身体計測など)に回答することが必要になります。

また、iPhoneに内蔵されているセンサおよびAppleが開発した「ヘルスケア(※3)」アプリによる運動習慣記録(歩数や距離など)や身体計測データ(腹囲や上腕囲など)も提供いただくこととなります。

参加者には、身体の形態的特徴の推定値が、運動や食事に関するアドバイスとともに即座にフィードバックされます。研究チームは今後、『メタボウォッチ』を通じて大規模なデータ解析に基づく個別提案型の健康管理確立に向けた研究を進めるとともに、利用者の生活習慣改善や健康増進に活用されることを期待しています。
(ResearchKit、iPhone、Apple、App Storeは、米国 Apple, Inc.の登録商標です。)

 

(※1)早稲田大学スポーツ科学学術院川上泰雄研究室を中心としたグループ(研究実施)とヘルスグリッド株式会社(アプリ実装)で共同チームを構成

(※2)サルコペニア:加齢に伴って生じる身体内の骨格筋の減少と筋力や身体機能の大幅な低下を意味し、Rosenberg(1989) によって名付けられた。骨格筋の中でも、体幹や大腿部の抗重力筋において頻繁に認められ、起居動作や移動運動に深刻な影響を及ぼします。

(※3)iOS8以降のモデルに標準搭載されています。

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